ワンちゃんに関する神話-その1 (オスとメス)
今までの日本での犬の飼い方は「雑種で生まれた子犬を近所からもらい、玄関先でつないで飼う。餌は人間の食べ物の残りをあげている。」というご家庭がほとんどだったのではないでしょうか。私の家でも小さい頃はそんな風に犬を飼っていました。その頃と比べると今は本当に変わりましたね。今のワンちゃんは、お洋服を着て、ご飯とおやつをもらって、帽子をかぶってバギーに乗ってお出かけ、おうちの中で自分のベッドやトイレの場所もきっちりとあると、人間の子供と変わらない生活を送っている場合がほとんどです。
一般的に当たり前だと思われている犬に関するお話を、全世界のバークバスターズの経験に基づく理論と比べてお話したいと思います。
まず「しつけ」の仕方です。これまではワンちゃんをしつけるのに、体罰(叩く、蹴るなど)は当たり前とされてきました。今はこのしつけの方法を使っている人は減ってきているとは思います。しかし、私達バークバスターズのセラピスト(トレーナー)は、飼い主の方に攻撃的になるワンちゃんをたくさん見てきています。そのワンちゃんたちに共通することは『飼い主の方から何らかの形で体罰を受けたことがある』ということです。(ただし、日本の場合は単なる体罰だけではなく、手でワンちゃんを押さえてしまったり、顔をつかんだりと言うことも含まれます。)ワンちゃんは人間と生活をしているので、人間からいろいろなことを学習します。そのひとつが体罰です。体罰を受けたことのあるワンちゃんは、反対に飼い主の方に体罰をして「しつけ」をしようとします。ワンちゃんの体罰は、咬むという行為です。犬は人間の皮膚が犬よりもずっと弱いことを知りません。同じ群れの犬に対するのと同じように咬むので、皮膚が弱い人間はかなりひどい怪我になってしまうのです。
次は群れ(家庭)の中で、誰がリーダーになるかと言う話です。
「メスとオスとどちらがリーダーになると思いますか?」と私達のお客様に聞くと、ほとんどの方が「そりゃオスでしょう。」と答えられます。犬の祖先はオオカミでした。オオカミの群れはメスがリーダーです。犬の世界でもそうです。ほとんどのケースで、メスがリーダーシップを取っています。(人間のご家庭でもありがちですが・・・)飼い主の方の中には、「いいえ、うちのオスの方がメスより偉そうにしています。」と言う方はいらっしゃいます。しかし、メスの犬は上手にリーダーシップを取るので、人間に気がつかれないことが多いのです。例えば、リードを引っ張るのは犬が自分がリーダーだと思っているからです。オスがリーダーの場合は、強く引っ張ってしまい、飼い主の方が転んでしまう事故もあるくらいです。メスの場合は、ぐいぐい引っ張りませんが、必ず飼い主の30センチ手前を歩くのです。これも気づかれないように、上手にリーダーシップを取っている典型的な例です。
このように、犬と言う動物は人間と違った考え方をする動物です。それを犬も人間と同じように考えていると思ってしまうと、とんでもない誤解をしてしまうことがあります。犬は頭の良い動物ですが、人間が考えていることは分かりません。犬の考えを分かってあげられるのは、人間である飼い主の方です。ワンちゃんの気持ちをわかってあげられる飼い主になって下さい。そして、私達バークバスターズのモットーである、ハッピーファミリー=ハッピードッグになって頂きたいと思います。